博士の愛した数式 (小川洋子 著)

昨年から話題になっている本をやっと読みました。 良かったです。 点数は付けたくないけど、満点ですね〜。 人の優しさや、自分以外の人に導かれる悦び、人間ていいなって思えるそんな本でした。
お気に入りの本についてはこちらにも書いています。
http://www.geocities.co.jp/Beautycare/6069/booknote1.html#p

博士の愛した数式 博士の愛した数式 2003/08
彼はいつも数字や数式の話ばかりしている。 衣服は薄汚く、気難しい。 家政婦は9人もクビにした。 家に籠もって数学の証明問題ばかり解いていて、他のことはサッパリできない。 変人だが彼は偉大な数学者であった。
10人目の家政婦は、彼を博士と呼ぶ。 そして博士は彼女の息子を、ルートと呼んだ。 気難しい博士と親子が出会い、その瞬間の出会いに安らぎを見出してゆく。 数学以外には無関心な博士がルートに見せる愛情。 博士の非常にアンバランスな日常の秘密をも、親子がふたりで なんなく乗り越えてゆく優しさがあたたかくって。
読んだ後にちょっと切なくなる。 やさしい心の欠片を拾ってゆくようなストーリー。 人との出会いと、触れ合いを大切にしていくと幸せな時間が生まれる・・・そんな予感を与えてくれる、物語の奇跡。


個人的には、中学の時の数学の先生を思い出した。 白髪の背の高いその聡明な老先生は、夏休みの終わりに転んで腰を打撲して、私達の担任を突然降りることになった。 私はその先生が大好きだったのに。