悪人 ★★★★★

悪人 シナリオ版 (朝日文庫)
悪人 見てきました。名作です。(本は★★★★)何か考えさせられるものを残してくれる作品でした。
モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞した深津絵里の演技が話題になっていますが、他の役者の演技も、映画の撮り方(ドキュメントのように撮っている部分とか)も良かったです。ハリウッドとは異なる路線をいく日本映画で「地味」でありますが、人間を正面から撮っている点では秀逸といえる作品です。
とてもリアルな生身の人間が描き出されているところが評価されたのでしょう。

この映画の評価は、人によって分かれるかも。でも、私は評価したいですね。 なぜか、トリコロール(青の愛、白の愛、赤の愛)(3部作)の映画を思い出しました。撮り方が似てたのかな。
悪人を演じた妻夫木聡は新境地です。すごい。口数がすくない不器用な青年になりきっていて、妻夫木聡には見えませんでしたから。

原作を読んでから見ても、見てから読んでもいいと思います。私は原作を読みましたが、映画を見て初めて原作の良さがよく分かった気がしました。そういう意味で、原作を研ぎ澄ました感が強い映画であり、そこで成功している。つまり傑作です。