哲学者とオオカミ  ★★★★

哲学者とオオカミ―愛・死・幸福についてのレッスン哲学者とオオカミ
タイトルにひっかかってしまった。^^;
「哲学」という言葉に自分は弱いらしい。 そして「オオカミ」なんて続いたら…!

大学の哲学科講師である著者が、オオカミを飼う。いや、飼っていたという実話。
オオカミと暮らすという凄まじい生活を書きつづった本です。
愛犬(狼)ブレニンを兄弟のように感じて、供に暮らす彼の「普通でない」生活ぶりに引き込まれていきます。
哲学者らしく、オオカミと向き合って暮らした自身の半生の必然を論じ、愛と破壊と不都合と、偏屈な自己を理屈っぽーく語っていくのです。

話が右往左往したり、いったい何を書きたいのか…?と思うところもあったけど 嫌いじゃなかった。本音で書いてるから。 こんな本読むのも変わってるのかもしれないけれど、2匹の犬と1匹の猫を飼っていた時の自分の思い出が時々フラッシュバックした。大型犬を飼うと決めた時から、生活が変わってしまうのだ。経験した人なら分かる。ブレニンを兄弟オオカミと呼ぶ彼の愛し方の中に自分が感じられて愛しくなった。自分も愛犬2匹を兄弟のように思っていたっけなぁ…。
ブレニンの老衰と死に向き合って、彼とブレニンの物語も終わります。 大型犬と暮らす 一種のinsanityを更に強烈にした実話。というところでしょうか。 愛すべき一冊の本です。