腰が痛い

膝よりも腰が痛い、筋肉痛の朝がまだ続きます。 初マラソンをなんとか完走した喜びはちょっと言葉では書ききれない驚きで、自分の一大事件になりました。 なんだか、夢みたい。信じられない、というか。


といっても、タイムは5時間48分だから、後半かなり歩いた人と同じにゴールですけれど、日曜の自分はまるで別人だった・・・そんな気がします。 どこからあんな力が湧いて出たのか。 どうして、ヘロヘロになりながら、もう半分の21km走れたのか、不思議です。 辛かったとか、苦しかったというよりも、ものすごい不安でした。ずっとずっと続く道。 ハーフしか走ったことがない未知の道のり。


中間点通過が、2時間50分くらいだったかな。(いや、時間はあまり気にしてなかったので正確でないかも) 10km走るラップが10分くらいずつ落ちているような感じだと思った。 だから 6時間でも完走できないと思ったら、愕然とした。 でも、逆に、6時間完走と考えて逆算すると、半分の距離を10分(7,8分だったかも)の貯金を持って走れたんだから、目標が6時間というのが、とても分かりやすいと思えたのでした。 ラップが測れる時計をしていましたが、全然、タイムを1kmごとなんかで測れなくて、2km毎とか、ばらばらになってしまっていました。 ですから時計を普通時刻表示に切り替えて考えた。 現在お昼を過ぎて12時半になる手前。 あと1時間半走って2時頃には、3/4行って、残り1時間半走って、フルをゴールする。 3時30分ゴール。 キリがいい! 分かりやすい!
よーし、10分の貯金もあるし、30kmまではウォームアップと言う人もいたから、2時までの1時間半はゆっくり走ってみよう。


中間点を越えてすぐの給水所。 そこでは ゆっくりと時間をかけて、ストレッチをしました。 足が心配でした。もうコチコチだったから。 股関節がいちばん心配だったんだけど、まだ痛くない。ふくらはぎを伸ばす。コチコチに硬い。 大腿四頭筋を伸ばす。こっちはまだ大丈夫。 それから、しゃがんですねを伸ばそうとしたら・・・しゃがめなかった。青ざめた。(汗;) ゆっくりしゃがんでいく。コチコチのコテコテだ。あかんあかん。腰も固まっている感じ。上半身を伸ばしてみる。コチコチ。 腕を回す。足首をまわす。 先週の手賀沼の後より足首は痛くない。 ひととおり動かして、「よっしゃ!」 と、走り出す。トコトコ行く感じで。
一度止まってしまうと(歩き出してしまうと)走り出せないという人がいるけど、私はそんなことはないと思います。 走り出すときのコツは、はじめの一歩目から前のペースに戻す(無理)のではなくて、とっても小さく走り出すことです。 10歩20歩トコトコ行くうちに、なんとなくリラックスして、走りやすい歩幅に自然に戻っていく。リズムも自然に戻っていく。 考える必要はない。 ちょっと動き出せばいい。


無理はしないと決めていた。 それから、歩かないでどこまでいけるかやってみる、と決めていた。 中間点を通過直後は、皆さん元気に走り続ける人も多かったが、その先、2kmくらい行くと、段々と歩きだす人が多くなっていった。 24km過ぎて、歩いている人が半分くらいかなぁ。 私は、亀の走りでトコトコ走る。

実は、初フルということで几帳面に必ず給水を取っていたのが災いして、前半10km地点くらいからずっと、お腹の中がチャポンチャポンであった。 それが中間点前後で やっと解消されて走りやすくなったなぁ、と思った頃から、今度はお腹が痛くなってきてしまった。 胃がキュッとなっているような感じ。 でも腹筋が酷使されて、その痛みも混じっているような感じもしたので、内臓の痛みだったのか、筋肉の痛みだったのか、よく分からない。 レース中の腹痛は初めての経験だ。これを我慢して走る長い耐久時間がはじまった。 自然に上下動を抑えるような ゆっくり走りになっていく。 足が疲れてきて、足元は時々ヨロっとなる。その時にハッとした。 この感覚は過去に経験がある。 幸手の大会での後半。 股関節痛に悩まされたのだ。 辛いからといってフォームを気にしないで走ると、その10km後に 必ず痛みが来るのだ。 フォームだ!フォームだ! 苦しいんだけど、足はまっすぐに前に出すように心がけた。お腹の痛みはだんだん慢性化してきていたので、なんとかお腹の位置を固定して、足をまっすぐ前に出す。 フォームを意識して10歩20歩走ってみる。 着地する感覚が靴の底に しっかりと感じられる。 しばらくこのまま頑張ろうと思う。 この時に、30kmまでは行けるんではないかと思い始めていた。


24km地点過ぎの給水所。 ここで最大の衝撃をうける。 給水所では水とポカリスエットの他に、チョコと飴がおいてあるのだが、今日のレースは最後までチョコと飴以外の補給食が一切ないというのだ。 もう2周目なので、この給水所は2回目。 チョコがなくなって飴だけになっていた。 とりあえず飴を1つ取る。 そろそろ、ハーフも過ぎたので、補給食を期待していた頃だった。 前の女性ランナーが どこまで行ったら、補給食があるのか聞いていた。 「えーっ!? 今年は 最後まで食べ物がないんですか!?」 かなり大きな声だったので、周囲の人すべてに聞こえたと思う。 ショックだった。 先週は、初ハーフで 空腹感に襲われ、ガス欠寸前の苦しさを経験した。 しかし、今日はフルなので、補給食をすっかり宛てにしていたのだ。 「すみません」 とスタッフの方は謝るように頭を下げたが、彼女のせいではない。 「分かりました。仕方ないですから」 とは言ったものの、ショックは周囲のランナー達に広がった。 「昨年はあったのに。どうして?」 「ないと分かっていれば持ってきたのに」 割り切れない気持ちで走りだす。 苦しんでいるのは後半の私たちだけではない。今日参加したすべてのランナーが同じ苦しさの下で走っているのだ。

そこから、200m先で、先ほど、補給食があるか聞いていた女性ランナーがレースを棄権してしまった。40代くらいの方だった。「あたし、今日は もう走れないわ」 先ほどの給水所まで戻って棄権するという…。 言葉がなかった。 完走できただろうランナーを1人失った。 先週の手賀沼で、残りの距離が1キロ多いと言われただけで、精神的に撃沈して、ちょっと歩いてしまった自分を思い出した。 彼女の心の支えや目標がくじかれてしまったのだ。 補給食がないという問題が、深刻に感じられてきた。 ランナーは不安なものだ。 あるべきものがないだけで 「できる自信」がなくなってしまうことがある。 やはりバナナの切れ端くらいは、置いて欲しかった。
先週の手賀沼を経験した私は、飴とチョコを少しだけ持ってきていた。 これがとても貴重なものに思えてきた。 でも、お腹が痛くて食欲がない。 でも、食べなきゃ。 ポケットからチョコを出して口に入れた。 美味しくない。 後ろから来た女性ランナーと補給食の話をした。 みんな、怒ってはいない。 でも 知っていれば持ってきたのに やはりそう思ってしまう。 彼女にチョコを2つあげた。 彼女は、「ありがとう。もう少し先まで取っておくわ」 とウエストポーチに大事そうに入れた。 それから、少し一緒に走った。

私の周囲のヨレヨレ組みランナーは、26km以降 歩く人ばかりになってしまった。 見透しのいい土手に登ると前に30人くらいのランナーが連なっているが、1人を除いて全員歩いている。 私は変わらない亀の走りで、トコトコ走っていくので、1人、2人と抜いて行く。 人を抜く時は申し訳ない気持ちになった。 (前半がんばって疲れちゃったんだね。私みたいな へなちょこが抜かしてごめんね) なるべく省エネを心がけて走る。 中間点からとっくに息は苦しくて、ハァハァいっている。 このハァハァで先週のハーフの後半10kmを走ったのだ。 今日は先週よりもさらにペースを落として走っているが、未知の距離を走っている不安で、息が少し苦しくなると落とすようにした。 呼吸が少し落ち着くと、自然にピッチが上がってきてしまう。 それに気付いてまた落とす。 その繰り返し。 もう4時間くらい走っている。 あとゴールまでもう2時間くらいはかかる。長いなぁ。 ときどき不安に襲われた。

28kmから30km過ぎまで、土手の上を走る。 気持ちがいい。 ここで、後ろから来た女性ランナーに抜かされた。 ちょっと一緒に走った。 彼女は一定ペースを守って走っている感じがしたので、「まだまだ しっかりしてますね〜!」 と声をかけたら、「精一杯なんです。 一度 歩いてしまうと、もう走り出せない気がして…」 なんて言っている。余裕ありそうなんだけどな。小さくて身軽そうだし。「日差しが弱まってきたので少し楽になりましたね」 「そうですね」 彼女が走りに集中している感じだったので、私はペースを落とした。 どういうわけだか、後半ヨレヨレになってから、抜いていくランナーはみんな女性だった気がする。 29km地点を超えて給水。 持参のチョコを食べる。 飴を1つ口に入れる。おいしくない。 腹痛は慢性化して、耐えられるようになってきていた。でも痛くなければもっと走りやすいのに! 30kmの標識はスグに見えてきた。きたきた来ちゃった。 最長記録更新!

30キロも来たのに、まだ12キロもあるのか。 あれ?引き算 間違ってる? そうか、それじゃああと2kmはこのままのペースで、のんびりトコトコ行ってみよう。瀬古選手の言うウォームアップの30kmで、私はもうスカスカになってしまった。 もうエネルギーはカラカラです。 ここで、またストレッチ! スポンジで膝を冷やしてやる。 すねの筋肉も冷やしてあげる。 今日はここまでそっとそっと来たけど、まだまだあるんだからね。

コースは土手を降りて公園を横切り、しばらく周囲の景観が限られる箇所を2km程行く。この2kmが長ーく感じます。 みなさん歩いています。 ここで、1人男の子が地面に両膝を付いて、座り込んでしまっていました。 「力尽きた」という感じ。 かわいそうで声がかけられなかった。


あと10kmとかになったら、皆さん走り出すのであろうか? まだまだ歩いている人ばかり。 ちょっと走ってちょっと歩いている人は何人かいました。

そこから30この先給水で、先に何故か歩いてしまおうとは一度も思わなかった。 歩いてしまうイメージは湧いてこなかったのだ。 殆んどが平坦なコースだが、土手に登る箇所が3箇所くらいあって、そこは全員が歩いて登る2周目も、私は歩かずにハァハァ登った。 近くにいるスタッフが声をかけてくれたりして嬉しかった。 土手の上を走っている時は、10km我慢できたのだ。 30kmまではいけるは土手の上は気持ちがいい。 右側に広がる雄大な遊水地付近の広大な空間。 土手を走る感覚が、東京の荒川を走る感覚に似ているが、ここは、空をさえぎる高層ビルがない。 自然が断然かってい走っていく。 前方200m位先をゆく蛍光オレンジ Tシャツが唯一の走る背中だ。近くもならないし、遠くへもいかない。 、レース中、つらくなると周りの人に話しかける癖が、私にはある。 (先週の手賀沼で自覚した) これは弱気な人にはお薦めしたい。 でも、今日は話しかけられてしまった。