戸田ハーフ 完走できました。

戸田みやげ

うっふっふー! 今日は戸田ハーフです。 爽やかな快晴に恵まれた。今日は決戦の日だ。 1年前の今日、またここに戻ってくることを自分に誓っていた。 種目は10K からアップグレードしちゃったんだけど、同じ場所でのレースを歩かないで完走したい。 それから、今年春からの私の悲願であった、ハーフマラソンを歩かないで完走したい。 その二つの思いを戸田で遂げたいと思っていたのだ。
手賀沼は完走したが途中で気分がくじけた。 渡良瀬も戸田のハーフの前の長距離練習の為に(実は完走する予定ではなかった)申し込んだのであった。 すべては今日のこの日の為に。 確かに9月10月と思うように走れず、走力に進歩はない。 しかし、今年これまでのレースの経験を活かして絶対に完走しなければ! 今日は自分への約束を果たしに来たんだ。
といっても、昨日は休養せずに、友人主催のマラニックに参加して、20Kくらい走ってしまったので(私としては長距離) ちょっと脚の疲労が心配だ。 でも朝は早く目覚めて、なんだかいい予感がした。 筋肉痛も殆んどない。 身体もスッキリした感じ。 (昨日は ビール我慢したもんねー)


今日のレースは、完走目的。 つまり、歩かずに、へばらずにゴールまで走れたら合格。 欲をいえば、気力が一時くじけた手賀沼よりも、いい感じで走り抜けたい。 そんな感じで 次のレースに繋がっていければいいんだけど。 早めに会場入りしたが、ショップを冷やかしたりしている間に、あっという間に、スタート30分前。 もう一度、ストレッチしーとこうっと! (いつも姉と私はアップはしないのだ) で、スタートラインへ向かう。


スタートラインにはそんなにまだ人が集まっていないように見えた。 もう5分前なのにね。( えっ? もしかしたら、これしかハーフ参加者いないの?) 手賀沼は延々と並ぶスタートラインの列で、先頭なんか見えなかった。今日は先頭がスグ30m 前。 あれあれ、やぱいじゃん。 またまた出るレースを間違えてしまったか。 確かに制限時間は2時間半だったはずなんだけど。 1年前の今日、この戸田の10K レースで、私は撃沈して、その後何度も歩いてヘトヘトでゴールした悪夢が蘇ってきた。 頭の中を一度カラにする。 きょうはゴールまで同じピッチで、走りとおす。 強く走り続けるイメージを!


あれあれあれ? という間にスタート!してしまった。 こんなもんだ。 右側に有森裕子選手が立っていて、通り過ぎる選手と、掌をパチンパチンと交わしながら、エールを送ってくださっている! あーぁぁー右側に並べばよかったぁ。 読みが浅かった…。 でもって、スタートラインで時計のボタンを押し忘れた。 (やっぱり抜けている)


初めの2キロは姉と一緒に走った。ゆっくり走る筈が、やっぱり周囲に吊られて、やや速め。 でもどんどん抜かれて、あっという間に後ろを振り向きたくない程の後方に落ち着きます。 今日の びっくりランナーさんは、ベビーカーを押しながら走る、若いママさんランナー。 (えっ?) っと思って追い越した。 ベビーカーには2歳くらいの大きな子供 (ベビーではない) が乗っている。 重かろう。 でもってここらへんから私はずっとマイペース。 手賀沼ハーフと比べると参加人数が半分以下だと思うし、その分、私のような ダメダメ種族は少ないと思われる。 やっべー! 戸田って自分向きの大会ではなかったんだ。 つい、家から近い大会というだけで来てしもうたよ。 時間内完走(2時間30分)がギリギリで危ない私は、なんだかちょっと心配になる。 ハーフ、フル、と立て続けに走っているので、なんだか、今日のレースに向けての緊張感を失くしていた。 走り始めてから いろいろ考えてみると 冷や汗が出てきた。 やっぱ21キロって長いよぉ。


手賀沼ハーフ、渡良瀬フルは、両方とも、未経験の距離への恐怖心から、ガチガチの守りのレースをしてしまったので、今日は、落としすぎずにどこまで行けるかやってみたいな。 と密かに思っていたんだけど。 ハーフはやっぱり長い。 5km地点までは元気に来た。 練習の5kmと同じ感じで走った。 むむむ、このまま耐えられるのか。 周囲をかなりキョロキョロ見回して、自分のペースメーカーになってくれる人がいないか探すが発見できない。 今日は、周囲にランナーはいるんだけど、やはり一人旅気分だ。


快晴の天気、暑さが心配だったが、苦になるほどは暑くない。 マイペースで、行く。 8km地点あたり? に、給水ではなく、8等分にしたオレンジが食べられるエイドがある。 これが嬉しい。 オレンジをかじってちょっとリフレッシュ気分。 そうだ、今日は後半お腹がすかないように補給食を持ってきたんだっけ。 ここら辺で チョコとグミを食べたりした。 で、これから橋を渡って、競技場の脇へ戻る。 橋を渡る手前の道は水辺が見えて目が楽しい。 水が見えるコースは残念ながら一部分しかないので、ここは楽しんで走る。


今日の私の目標は、ピッチを落とすことなく (同じリズムで) 21km を走りきる、ということ。 記録は気にしないが、ピッチを守れれば、手賀沼よりも速く走れるはず。 いつも些細なことに動揺して歩いてしまう。へばってしまう。 そんなことがなくゴールまで行きたい。 落としに落とせばゴールまで行けるという実験は渡良瀬で実践済なので、今日は、ピッチを下げずに頑張りたいな。 ハーフだしね。
そうそう、レース前に姉と喋っていて、「ハーフだから何とかなるよ」 と言った私に、姉が鋭く反応して、「君の口からそんな言葉が出るなんて・・・大したものだ」 と笑われた。 自分でも驚いた。 もしかして、今日の私、緊張感なさ過ぎではないだろうか、たった1回のハーフとたった1回のフルを走っただけで。 (おい、きりん! 大丈夫か)


10キロを過ぎたあたりから、お腹が痛くなってきた。 エイドで水を飲み過ぎないように気をつけていたんだけど。 でも、まだ、大した苦痛ではない。 フォームに気をつけて、走ったりしてみる。 ゆっくりめのリズムで歩幅を広げる感じで走ると、振動が少ない気がしたので、それでしばらくいく。 フォームに意識が行くと、左ひざに違和感を感じた。 昨日のマラニックの帰りに感じた違和感。 これがこれ以上酷くならないように、祈る想いで、そっとそっと走る。


2周目突入して2キロくらい行ったところで、道の脇で ストレッチをしてみた。 コチコチの脚の筋を伸ばしてあげる。 ストレッチをすると膝よりもすねが心配だ。 でも手賀沼でもこんなもんだった気がするなぁ。 特別に昨日の疲れが響いている感じはない。 きっと大丈夫だろう。 自分の脚を信じていこう。


膝の痛みは悪化はしてないが、15km地点まではゆっくり行こうと決めた。 自滅したくない。故障もいやだ。 今年の冬は冬眠せずに走り続ける予定なんだから。 フォームに気をつける走りをする。 苦しくはないが楽ではない微妙なペース。 今日の目標の 「ピッチは落とさない」 を守り、歩幅を小さめにした衝撃のない走り。 そんなんでも、後ろから抜かされることもなく前に進んでいく。 「走る」 ということ、「走り続ける」 ということ、この2つの(はざま)で、走るのがマラソンだ。


3つ目の折り返しの手前で、姉と3度目のエールの交換をする。 彼女のほうが速いランナーなので、折り返し前にキョロキョロと探して手を振って合図。 掌をバッチン! と叩いて 「がんばれ〜!!」 と叫ぶ。 この楽しみが今日は3回もあった。


15キロの折り返しで、このままのペースで完走できる、と思った。 暑さもそれ程ひどくなく、いつの間にか腹痛も感じなくなっていた。 空腹感も深刻ではない。 ここらで、また、チョコを2つくらい食べてみた。 干しぶどうも、少し食べてみる。 ひとつまみ、ふたつまみ。 美味しい! というか、干しぶどうの自然な味がする。 果実の持つ自然の酸味が 走っている時には美味しく感じるのかもしれない。


とりあえず、手賀沼で経験した問題(距離への不安と空腹)をなんとかすべてクリアしたこのレース。 多少の疲労はあったが、順調にここまで走ってきた。 あと5km、あと4km、あと3km。 2回目のオレンジを食べる。 ここからは、橋を渡って帰るだけだ。 水辺を見ながら、心が楽しい。 ふっふっふ。 完走できちゃうよ〜。


レースは最後まで気が抜けない。 最後はやっぱり苦しいから。 同じ集中力でひざをかばいながら同じ走りを続けるのに、倍のエネルギーを使うような感じだ。 橋の上りでは、基本姿勢を自分に言い聞かせる。 橋の下りでは (焦るな!ばか!) と自分に叫ぶ。 声をかけてくださる係りの方には 「頑張りまーす!!」 と答えながらも、常に左のひざに意識が行く。 それでも段々と心がウキウキしてくる。 初ハーフの手賀沼ほどは苦しまなかったが、 長い道のりだった。 やはりレース中に、時々不安になる。 でも今日は割とリラックスして走れた気がする。 1歩前進かな。 でも、1つの不安が消えれば、また次の不安が心につのってくる、レースとはそんなものなのかもしれない。 レースは人生に似ているって誰か言ってたっけ?


終盤の苦しさと闘いながら、最後の2キロを走る。 相変わらずスパートする余裕などはない。 ゴール直前の折り返し。 通り過ぎる女性に声をかけながら行く。 もう急いでも急がなくてもどうでもいい気がしてきた。それでもペースが速くなる。 着実に歩みを続ければ、必ずたどり着くゴールへ。 ゴールへ戻ってきた。 競技場内に入ると目の前に男の子が3人横になって走っている。 邪魔だ。 追い抜こう! ふふふっ。 そのまま少しだけペースをあげてフィニッシュ・ラインへ! 昨年のリベンジはした! 夢のようだ。 丁度1年前の今日、10Kさえ走れなかった。 まさか自分がハーフを走るなんて夢にも思ってもいなかった。 こんな奇跡が私の人生に実際に起こるなんて! この1年間に出会った、いろんな走る先輩が私をここまで引っぱってくれたんだと思う。


毎週毎週じゃなくいてもいいけど、ときどきレースを走って このなんともいえない フィニッシュの充実感を味わう ライフスタイルって、なんか カッコイイんじゃない? 自分にはカッコイイなんて言葉は似合わないけど、会場に溢れる完走した人の顔をみていて、そう思った。 なんだかカッコイイ。 みな輝いてみえる。 その輝かしい笑顔の1つが私を見ていた。 ニコニコ顔のあんにんが立っていた。