モモ

モモ by ミヒャエル・エンデ   ★★★★☆
エンデのモモを読みました。 子どものときに読んでいなかった児童書のひとつです。
サブタイトルに書かれているとおり、「時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語」です。 読んでいる最中は、そんなに引き込まれるという感じではなかったのですが、読み終わってからフームと考え込んでしまいました。本の主題が、この数年間 私自身が疑問に思い、本当に居心地が悪いと感じていながら 今もどうすることもできない現代社会の盲点をテーマにしているからです。 物語りも文章も 子供の本ですが、エンデはこっそり大人(社会全体)に 向けて書いた本であると思うのです。 1973年に、ファインタジックな物語の形にして、エンデが社会に投げつけた疑問と警告は、現在もっと深刻なゆがみとして私たちの生活を圧迫しているのでないでしょうか。 時間に追われて、仕事に追われて、自分の考えや、自分の楽しみや、自分の本当に大切な友達や家族との時間を顧みることなしに毎日を流されてしまう私たち…。 本当にそれでいいのでしょうか?
時にはこんな小さな本を読んで、時間どろぼうにぬすまれない時間を意識して過ごしてみたらいかがでしょうか?