MILK ★★★★★

ミルク [DVD]今頃DVDでみました。
ショーン・ペンの演技にまたまた圧倒されてしまいました。
この映画を称賛するに足りる言葉がないのですが、難しいこの役を演じきっているショーン・ペンに脱帽です。 鑑賞後には、ショーンが演じたハーヴィ・ミルクという人間像とその人柄が心に残ります。


この映画を見るまで、ハーヴィ・ミルクという人を知らなかった。でも、マイノリティーの権利の為に闘ったということでは、時代は違うけれども、キング牧師の延長線上にいて同じ意味を持つ政治運動を起こした人になる。同性愛はやはり理解できなくて反感を持つ人も多いと思うけど、私は敢えて「アメリカの正義」と呼びたい。


扱っているテーマがテーマなだけに、ちょっと間違えると微妙なテイストの映画になってしまう危険があったと思うんだけど、全然ぶれることなく最後まで安心して見れました。控えめな言葉と抑えた演技の中に、ハーヴィのさまざまな思い(怒り、悲しみ、愛情、決意と情熱)が表現されていて、それが静かに心に迫ってきます。脚本もいいです。ミルクの愛情あふれる人柄が浮き彫りになっているのは、ショーンの演技力に加えて監督の力も大きいと思うけど。

ミスティック・リバー」、「アイ・アム・サム」「デッドマン・ウォーキング」、「21グラム」のどの役とも全然違う、見たことのないショーン・ペンでした。