EQ  こころの知能指数

EQ こころの知能指数 (講談社+α文庫)

EQ こころの知能指数 (講談社+α文庫)

本屋で文庫版を見つけたので再読してしまった。1995年。ゴールマンがこの本を書いてから、もう15年が経つのか。私は再び新鮮な気持でよみました。
この本がきっかけになって、EQという言葉が日本にも伝わり話題になった。EQと名のつく他の著者の本も何冊か読んだが、この本とは比べ物にならない内容の薄い本ばかりだった。EQ関連の本をまだ未読の方は是非本書を読んでほしい。

当時この本を読んで、もっと早くに出会いたかったと思った記憶が生々しい。私は、この本に確実に救われたのだから。新しい知識によって気持が整理されたということもあるが、著者ゴールマンの人間へのまなざしが真摯であたたかいのだ。

この15年の間に、さらに同分野での研究は進んでいるに違いないが、心理学の研究というのはさまざまな人間の可能性(または危険性)を示唆するものが多い。日本はブームが去ると静かなもので、最近はあまりEQという言葉を聞かなくなったような気がするが、社会不安が大きい今こそ、EQという知識が知恵となり、個人に益するところが大きいのではないだろうか。

日本は心理学後進国である。さらに、研究の成果を実践するという意味では更に未開発国だ。国による画一的な義務教育の規格作りはいい加減に撤廃して、各地方、各学校の教育の専門家に任せたらいいのではないかと思う。教育の現場で、子供たちのEQを伸ばしてやる手助けができるように。